いつか見た夢

私は自分の部屋の、ドアの前にいる。
いつも通りドアノブに手をかけ、いつも通りドアを開ける。
部屋の中には完全な闇が広がっていた。
全てを吸い込むような、全てを包み込むような闇。
そして、その闇は黒い煙のようなものに変化し、部屋の外に出ようとする。
動悸。怖い、今まで味わった事が無い恐怖。
全ての思考や感情が消え去る、あるのは純粋な恐怖だけ。
部屋のカーテンの隙間から、微かな光が揺れた。